オトナイは3周年です

コンセプト

こんにちは、オトナイのダイチです。店主という言い方もそろそろやめようと思っています。なんか偉そうですしね。
オトナイはこのたび3周年を迎えました。「カフェの半分は3年以内に潰れる」と言われる中、うちのようなド僻地にあるよくわからない店がここまでやってこれたのはひとえにみなさんのおかげです。本当にありがとうございます。
ここらで一度自分の頭を整理するために、近ごろ考えていることを書いておきます。長くなりますがよろしければお付き合いください。

【コミュニティカフェ】
オトナイはオープン当初からコミュニティカフェを目指しています。コミュニティカフェとは、かんたんに言うと収益性よりも公共性を重視するカフェです。
当初掲げていたミッション3本柱(何だったか忘れました)は、やっていくうちに自然とブラッシュアップされて2点にまとまりました。①社会貢献、②文化発信です。
この2点のどちらかあるいは両方を満たし、なおかつ僕たちのやりたいことであればどんどんやっていきます。といっても霞を食っては生きられないので多少の収益性は考えますが、意義のある企画ならお金はいいからとりあえずやっちゃえみたいなこともあります(学校にいきたくないきみへキャンペーンなど)。

【子ども・若者】
小中高生や留学生の民泊は公共性と収益性がほどよくバランスしているので、力を入れている部門のひとつです。
それともうひとつ、店を休んでまで民泊を受ける理由は、うちの子どもたちにとってすごく良い影響があるからです。上の子なんて2歳の頃から民泊を経験しているので、どんな相手でも一瞬で友達になってしまう驚異のコミュ力を身につけました。
田舎で地域おこしに取り組んでいる人からよく聞かれるフレーズのひとつに、「若者が戻って来る町にしたい」という言葉があります。それはもちろん賛成です。そしてそれは裏を返せば「若者は町を出ていくものだ」という諦めを含んだ認識が前提にあるということです。それならば戻って来ることを期待するより先に、まず「若者が町を出ていく力」と、「大人がそれを押し出す力」を蓄えることが必要だというのが僕たちの考えです。オトナイでやっている活動の多くにはその視点が含まれています。
子どもや若者が、どこであろうと理想や希望をもって生きられる地域や社会にするということは、2つのミッションよりも上位に立つ大きな大きな目的のひとつです。

【オトナイらしさ】
逆にどんなに収益性が高くても、オトナイのミッションにそぐわないことはやりません。例えば神楽を見ながらお酒を飲む人が多いようなお祭りへの出店は1回でやめました。もちろんそういうお祭りも地域の大切な文化です。でもオトナイの文化とあまり重なる部分はないかな、と。
ふだんはミッションなんて堅苦しいことはあまり意識せず感覚的に判断していて、その基準になっているのは「オトナイらしさ」のようなものです。それはすごく大切にしています。ワークショップをやるときも、音楽イベントをやるときも、それはオトナイらしいか?ということは常に意識しています。
そのため持ち込みの企画をお断りしたこともあります。例えば僕たち夫婦は占いを信じないので、占い系のお話はお断りしています。自分と異なる価値観を否定するのではなく、自分たちの文化や生活の中にないものをオトナイに持ち込むことはできないなという思いです。ご理解ください。
そしてオトナイのベースはやはりカフェなので、もちろん味も重視しています。特におやつは「今まで食べた中でいちばんおいしかった」とよく言っていただけます。食における公共性を意識すれば必然的に良い食材を選ぶようになり、素材を活かす調理を心がけるようになるので、自然とオトナイらしい味になるはずです。食材に関するスタンスは食材についてという記事に書いています。

【信頼関係】
一度もご来店されたことがない方、ほとんど面識のない方から企画の持ち込みがあった場合は、「一度店に来ていただいて、それからお話ししましょう」とお伝えして保留させていただいています。
外部の人といっしょに企画を行うとき、もっとも大切にしているのは信頼関係です。あるお店のイベントに参加したとき、ファシリテーターがすごく雑でがっかりしたことがあります。下手ならいいけど、雑なんです。その後も同じ人がたびたび登壇しているのを見て、そのお店自体にあまり興味がなくなってしまいました。
それ以降うちも気をつけなきゃなあと思うようになりました。よく知らない人といっしょに物事を進めるのはすごくリスキーです。だから相手の人となりをよく知りたいし、もちろん相手方も僕たちの人となりをよく知ったうえで、いっしょにやりたいかどうかを判断してほしいのです。そういうときは理屈ではなく相性でほぼ決まりますけどね。

【独立性】
オトナイはオープン当初から独立性を重視してやってきました。それは「やりたいことをやるため」であり、「やりたくないことをやらないため」です。以前僕たちがこれはやらないと避けていたことを勝手に決められていたことがあって、断ろうとすると「田舎でやっていくには少しは融通を利かせないと」と言われました。そうやって融通を利かせていった結果、田舎のカフェはメニューばかり多い「うどんとコーヒーの店」になっていくわけです。
お客さんとの関係で嫌な思いをしたことって幸いにもほとんどないんですが、少しはあります。例えば今までで2番目に非常識だったのは、「弁当とノンアルビールを持ち込んでいいか」と聞いて来た人です。選挙で選ばれた立場の人でした。もちろん断りました。しがらみがないから平気なんです。
したくないこと、すべきでないことを断れないと、不本意なことばかり増えていき、それは結局他人への不満として残ります。一度何かを断ったくらいで離れていくような人はそこまでです。僕たちは残ってくれる人のほうを大切にしたいです。
そうやって3年間注意深く独立性を保ってきましたが、どうしてもしがらみのようなものは生まれてきます。4年目はそのへんをすっきり整理する年にしようと思っています。

【変わらないために変わり続ける】
僕が個人的にやりたいことはまだまだあります。たとえば主体的に子育てにかかわる父親ってまだまだ少ないけど、僕は自分の経験から男性が家事や育児にもっとかかわったほうが人生は豊かになると確信しています。そういうことを男性も女性も一緒に考えていけるようなグループをつくりたい。
または合成洗剤(台所用、洗濯用、シャンプーなど)は環境にも健康にも百害あって一利なしなので、上手に石けん生活に切り替えていけるような講座なり勉強会をしたい。
社会変革というほど大げさなものではなく、こういったことはカフェという場をベースにすれば楽しみながら取り組んでいけるものだと思っています。だからカフェはおもしろい。ただこのスタイルにも賞味期限があって、必ず終わりが来ます。今はそのとき「自分を押し出す力」を溜めている状態です。
まあそれはまだ先の話です。エリコはまた別のビジョンを持っているようですし、オトナイは変わらないために変わり続けます。これからもどうぞオトナイをよろしくお願いします。

オトナイ

北広島町にある大正建築のブックカフェです。
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  • 同じカフェ経営者としてよく分かります。しっかりとした考えとコンセプトをもっていて凄いです。私も7年目ですが同じような事色々あり最近やっと整理し始めたところなので参考になりました。
    これからも頑張って下さい。^_^

    • ありがとうございます。何かあると揺れ動いてばかりですが、水も人間も揺れたほうが腐らないと思って気楽に構えています。

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